勝手

私たちは簡単に他人の人格を否定することができる。いろいろな要素をよく知ろうとせずに、ひとつの事柄だけでその人のすべてを判断してしまうことができる。自分では、「自分」というキャラクタがいくつもの要素を持っていることは分かっているが、他者がそれらすべてを認識した上で「自分」を判断している可能性はほとんどない。
たとえば野菜が嫌いだとか、料理ができないだとか、いつも5分くらい遅刻してくるとか、タバコを毛嫌いしているとか、車の運転が荒いとか、噂話をするのが好きだとか、そういうちょっとした部分で、私たちは簡単に他人の人格を否定することができる。
自分の評判なんてどうでもいい、言いたいやつには勝手に言わせておけばいい、という意見も多いだろう。たしかに自分が周りになんと思われていようが、それは大した問題ではない。
ただ、その人の両親やパートナ、子どもなどが悪く思われてもいいのかというと、別の問題になってくる。『あの人の性格があんなふうなのは、親の育て方が悪かったからだ』なんて思われるのは、ちょっと辛い。『あんな男(女)のどこがいいんだ、あんな人と付き合うなんて』とパートナが言われるのも、辛い。だから、なるべくちゃんと生きよう。たぶん、その方がいいと思う。