『もし、生まれ変わったら、どうなりたいか』という問いは、私にとっては、考える意味がない。なぜなら、生まれ変わることはないから。
『もし、違うように生まれ育っていたら、どうなっていただろうか』という空想も、あまり考える気にはならない。過去に起きたことは変わらないし、そんな空想をすることは、不健康だと思う。
いまの自分の特性に対する不満は多い。運動能力がもっと高ければよかったのに、もっと大きな声が出せたらいいのに、アルコールに強い体質だったらよかったのに、……。努力して改善できることも、変えられないこともある。努力して改善できることは、しかし、これまで特に努力しなかったのだから、今後も努力することはなく、変化することもないだろう。
もし、自分に子供ができたら、私はどうするだろうか。きっと、自分の好きな音楽を教えたいと思うだろう。自分の苦手な運動が得意になってほしいと思うだろう。自分と同じかそれ以上に勉強ができてほしいと思うだろう。
これは、エゴだ。子供に、自分の生まれ変わりとして生きさせようとしている。
私は、自分のやりたいようにやるのが好きだ。干渉されるのはあまり好きではない。だから、なるべく私からも干渉しないでいたいと思う。難しいことだけれど。