自分の部屋

コンビニで働いている。
常連客のなかに、終始大声で電話をしながら買い物をしていく人がいる。駐車場で車を降りてから、店に入り、商品を選び、レジで会計をし、弁当を温めさせ、店から出ていくまでの間、ずっと大きな声で電話をしている。店内で電話をし続ける客は彼だけではないが、店中の人間に聞こえるほどの声で話をする人は、ほかにはいない。
電話の内容はさまざまで、友人とmixiの話をしていたり、仕事の取引先にお礼を言っていたりする。電話の相手は、コンビニで買い物中であることに気付いているはずだ。失礼な人だと思っていることだろう。私だったら、その電話を切るのと同時に、彼との縁も切りたい。
以前、「空中キャンプ」に、『日本人にとって、電車は部屋だ』というエントリがあったが、彼にとってはコンビニは自分の部屋なのだろう。もしかしたら、コンビニだけでなく、電話をする相手のいる場所も、自分の部屋だと思っているのかもしれない。