待ち人来ず

『お留守のようですので、また来週うかがいます。』
そんな言葉が書かれた置き手紙を受け取ってから、もう8日が経った。この1週間ほとんど外出せずに待っていたが、彼女が私の部屋を訪れることはなかった。
金曜の午後に、急な用事で出掛けなくてはならなくなった。彼女が「来週」といったからには、きっと金曜までには来てくれるはずだ。またすれ違ってしまうのか。
その夜、用事を済ませて帰宅した私は、すぐに玄関のメールボックスをのぞいたが、彼女が来た形跡はなく、不動産関係のチラシが押し込められているだけだった。彼女が来なかったことに安堵し、しかし、彼女が来なかったことに落胆した。
私は、いつまで待ち続ければよいのだろう。明日はもう土曜日だ。明日こそは来てくれるのだろうか。ああ、早く来てくれ、ダスキンのおばちゃん。