そろそろアドリブ演奏について一言いっとくか

タイトルは、1度やってみたかっただけです。


私は「天久保オールスターズバンド」(略称「あまスタ」)という演奏団体に所属しているんですが、この団体の特徴の1つに、即興ソロ演奏をやりたがる(やらせたがる)ということが挙げられます。
アドリブソロは、お客さんだけでなく、ソロを聴いている他のバンドのメンバたちもとても楽しめるイベントなのですが、いかんせんアマチュア奏者が挑戦するにはレベルが高そうでもあります。『音感も、コードの知識もないから……』という声もよく耳にします。
私はいままでに何度もアドリブソロを演奏してきました*1。音感もコードの知識もそれなりにはありますが*2、たいしたものではないと思います。知識よりも、挑戦することが必要です。アドリブはやろうとした奴ができます。

以前、知人のブログに、アドリブについての記事がありました。そこから抜粋します。

アドリブをやるに当たって必要なことというのは、
まず
1. 楽譜に書いてあるコードや、なっている伴奏の音から和音の響きとコード進行のイメージが頭の中でできること
2. そのイメージから、コードにあったフレーズが思いつけること
そして上記2点以外に
3. 思いついたフレーズに対して即座に楽器で演奏できること
だと思います。

思考回路:アドリブ - livedoor Blog(ブログ)

これを読むと、「アドリブ演奏ってやっぱり難しいんじゃん、俺には無理だよ」と思ってしまいそうです。たしかに言葉にすると難しそうですが、実際はそんなに大変なことではないのです。


日本が誇る「タレント」にタモリさんがいるわけですが、彼の即興演奏を観てください。


・「誰でもできるチックコリア」
http://jp.youtube.com/watch?v=ZNEbXrtVlJc

・「笑っていいとも やってる風なピアノ」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm73743
(削除されてました)


このタモリさんの演奏は1人で演奏するソロですから、ベースやドラムの伴奏にのって演奏するソロとは少し違うところもありますが、音感やコード理論などに関しては、とても参考になると思います。
タモリさんは「(ピアノの)黒鍵を使わずに白鍵だけで演奏する」のがコツだと言っています。ちょっと理論っぽい話をすると、白鍵だけで演奏したときの調は、ハ長調イ短調になります。ハ長調C dur)の基本コードは、「C F G7 C」(Cはドミソ、Fはファラド、G7はソシレファ)で、これらのコードは「ドレミファソラシ」のみで構成されています。
いまの理論っぽい話は覚えなくてもよいのですが、「ピアノの白鍵だけで演奏すればそれっぽくなる」ということは覚えておきましょう。これを応用して、たとえば曲全体の調がフラットが2つ付く調であるならば、「シ」と「ミ」にフラットを付けて演奏すれば、それっぽくなります。シャープが1つ付く調ならば、「ファ」をシャープにすることだけ忘れなければいいのです。
音の選び方については、これだけです。慣れてきたらわざと違う音(すなわち黒鍵)を混ぜると面白くなりますが、最初は考える必要はありません。


もう1つのコツは、自分が出来る「ちょっと難しいワザ」を使うことです。「ちょっと難しいワザ」とは、ハイトーンや、早い指回しや、フラッタやグローなどの特殊奏法といったもののことですが、別に本当に難しくなくてもよいのです。聴いている人が「おおっ」と思うようなテクニックをソロの後半あたりでちょっと見せると、かなりそれっぽくなるはずです。


もちろん、本来は、ちゃんと理論を勉強したり、様々なプレイヤの素敵な演奏を聴きまくるとか、そういう努力も必要です。ここで書いたのは、アマチュアの、特に吹奏楽でポップスを演奏している人に対するアドヴァイスを想定しているので、そこまでの努力は不適当かと思います。
私も、せっかく度胸は付いてきているのだから、技巧的なパッセージが吹けるような練習をしたり、いろんなジャンルの音楽を聴いたりしたらいいのですが、そういうことはあまり好きではないので、やりません。趣味で演奏しているだけなのだから、というのはたしかに言い訳ですが、これでいいだろうと考えています。


(2009/4/26 追記)
参考にと思って貼ったYouTubeなどの映像がすべて削除されていました。なんか探しておきます。

*1:マチュアレベルの話です

*2:あくまでアマチュアレベルの話です