エコバッグ嫌い

「エコバッグってあるじゃん。ビニール袋の代わりに布の袋を使いましょう、みたいな」
「それはいいけど、今日もこのスタイルなんだ」
「あれムカつくよな」
「よく分からん」
「ビニール袋の代わりに布の袋を使うっていうのはいいんだよ。いいことだよ。推進すべきことだよ」
「環境問題に取り組んでる感があるね」
「それはいいんだけどさ、というか、ユーザが布なりまあなんでもいいけど繰り返し使える袋ね、俺は普通のバックに入れてるけど、レジで袋断るのはいいことだよ」
「うん」
「ただ、それを商品として、エコバックとして販売するっていうのがムカつく。嫌い」
「つまり、エコの名にかこつけて商売しようっていう魂胆が気に食わないと」
「それと、そういう風潮に乗っちゃえる消費者も」
「自分は昔から使っていたものを、企業主導で流行つくってエコバック持ってる人ってかっこいいよねオシャレだよねみたいな」
「そう」
「気に食わないわけね」
「エコバッグなんてわざわざ名前つけて買い物専用の袋ですなんて、お前はそういうふうにしないとレジ袋断れないのかよって思う」
「まあ、でも、きっかけになるならいいことだと思うし、それを嫌ったりするのはあまり適当ではないと思うけど」
「そう、きっかけね。正しいんだよ、たしかに。だからなー」
「結局、ぼくらが現在の消費活動を続ける限りは資源は無駄にされていくわけだからね。コンビニ業界だったりが地球環境のことを真剣に考えるっていうんなら、いますぐ廃業するのが1番いいわけで。そのエクスキューズとして『私たちにできることを』みたいなスローガンになるんだけど」
「だからって、それがエコバックでいいのかって話。実際、コンビニとファストフードが商売やめればゴミとして捨てられる食べ物は半分以下になるだろうな」
「どっかにデータありそうだけど」
「エコの教科書みたいなのも、そういうことは指摘しなかったりするよね。圧力かかったりあるのかもしれない」
「それで生計立ててる人は多いわけだし」
「コンビニの食品の廃棄とかって、食べ物を捨てること自体はなんかもう悪じゃなくなってるんだけど」
「毒されてるなー」
「んー、その、製品を作るのに使われた労働力とか電力とかそういうエネルギーが捨てられてると思うとさ」
「まあ、食べ物自体は水分とか炭素とかなんだろうからね」
「こうやって夜中に電気付けて起きてるってことだけ考えても、なんかもうあれだよね」
「考えても仕方ないって話にはなるよ」
「まあ、ここらでやめるか」
「ところで、最後に2つ指摘したいんだけどいいかな」
「なに?」
「2人で喋ると分かりにくくないか」
「そうか」
「あと、バックかバッグか統一してほしいと思った」
「それは今後の課題ですね」