カラヤンの失敗
昨年の秋、朝日放送が創立三十五周年記念事業のひとつとして、カラヤンとベルリン・フィルを招いて、ザ・シンフォニー・ホールで演奏会を開いた。その時のことである。
一曲目のモーツァルトの「喜遊曲」は無事に終わり、二曲目のプログラムであるリヒァルト・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」が、まさに始まろうとしていた。ところが指揮台に上がったカラヤンは、何を勘違いしたか、フォルテの総奏で始まるはずのスタートを、ゆっくりと静かに振り始めたのである。
指揮者の役割 - そばの香り
引用した文章が書かれたのは1985年ごろであり*1、朝日放送の創立は1951年。
Wikipediaによれば、カラヤンがシンフォニー・ホールで「ドン・ファン」を振ったのは1984年10月18日となっているので、冒頭の『創立三十五周年記念事業』というのは少し怪しい気がする*2。
このコンサートに関する記述をWeb上で見つけることができなかったので、真偽は定かではないけれど、このカラヤンが失敗したというエピソードは面白い。