外から観たときに気付くこと

先日、所属していた楽団の演奏会がありました。いままでは演奏者として参加したり、スタッフとして参加したりだったので、客として演奏会を観賞したのは初めてのことでした。最初の年は演奏するだけでしたが、2年目と3年目は、演奏会の選曲や、演出などにも大きく関わりました。

これまでは、運営する側から観客の気持ちを想像・推測することで、演奏会の運営を行っていたわけですが、今回初めて完全に観客になったことで、いくつか気付いたことがあります。
以下に列挙していきますが、内輪向けの文章なので、畳みます。

照明について

カラー照明を多く使うと、白(カラー無し)の状態が暗くなってしまう、ということは知っていましたが、たしかにその通りだと感じました。オペラ座のラストや、舞子のときなど、「ちょっと暗いな」と感じました。
これは、たぶん、ビデオでは確認できないんじゃないかと思います。もしかしたら、私は先日の管弦の定期のときの明るさと比較していたのかもしれませんが、ちょっと気になりました。


いつだったか、西村さんが言っていました(たぶん)。「演奏を聴かせたいんじゃないのか。だったら、この照明プランじゃ、やりすぎだ。客が音楽に集中できない。」
これは、難しい問題です。今回の演奏会の私の感想としては、ある部分は過剰だったし、ある部分は不足だったと思いました。というか、照明の派手な部分があった分、照明のおとなしい部分が、物足りなく見えてしまったように感じました。
ただ、西村さんの意見は、私は必ずしも正しくないと思います。
たとえばチャンクのバンダの場面で、私たちは一斉に振り向いたし、そのあとしばらくどっちを見たらよいのやら状態でしたが、そして音楽にはたしかに集中できなくなりましたが、あの曲に関しては、それでよかったと思います。

アナウンスについて

曲紹介のアナウンスですが、長い文だと、よく分からなくなりますね。私のブログの文章のように句点が多くて読点がなかなか出てこない分だと、聞くのには不向きです。きっと、鬼のように推敲したことと思いますが……。
今回、特に、演奏が充実していました。曲が終わって興奮して拍手して、拍手が鳴り止むと今度はアナウンサが難しい話をする、というのは、ちょっと疲れるなというのが私の個人的な感想です。演奏の余韻に浸る時間が、もっと長くてもよかったと思います。


1曲目と2曲目の間の曲紹介は、難しいですね。アウェイデイの解説は、なくてもよかったかな。パンフレットの解説が非常に詳しかったことですし。

進行について

本ベルがなってから入場を始めるまでの時間と、演奏者の入場が終わってから指揮者が入場するまでの時間は、もっと長くていいと思います。前回の客演指揮者が「客をじらす(待たせる)のが楽しいんだ」みたいなことを言っていましたが、これは客の立場からでも同じことだと思います。スムーズに展開してほしい場面と、時間がかかることで期待感を高めたい場面とがあるようです。


第1部の1曲目と2曲目の間も、もっと時間を置いてもいいと思います。開演に間に合わないお客さんというのは、けっこういます。今回、1曲目が終わってから入場して、なかなか座席を見つけられないお客さんがいて、ちょっとひやひやしました。


祝電は、あのスタイルでいいと思います。

曲目について

選曲に文句を言う・言わないまでも違和感のあるOBはきっといますが、放っておけばいいんです。もしかしたら講師の中にもいるかもしれませんが、こっちが給料払ってんだから文句言うんじゃねえと思っておけばいいんです(態度に出してはいけない)(あと、講師陣の給料は、むしろ安いくらいです。学生にとっては高いけど)。
結局、好きなようにできるのは2回だけなので、好きなようにやったらいいと思います。演奏がちゃんとしてれば、他はなんでもいいんです。


残念だったのは、1曲目の最初の音量が弱く感じてしまったこと。こんなこと現役のころは気にもしませんでしたが、1曲目の冒頭が派手ならば、乗る人数はかなり増やしてしまったほうがいいかもしれません。
コンクールでも、最初の3秒で決まるなんてことがいわれますが、やはりドアタマでガツンと客の心を掴むことは重要だと思います。


第1部がかなり長く、重い曲目だったわりに、第2部の前半3曲が、どれも短めだったように感じました。
なんかね、1部でリバーダンス終わったときには、『まだ3曲しかやってないのか! もう満足しちゃってもいいんですけど!』という感想だったんですが、2部でチャンクが終わったときは、『あれ、もう最後の曲なの? 終わるの早いよなあ』と思ったのです。
それだけ演奏が充実していたということなんですが、そしてゴーストトレインを聴きながら私はちょっと泣いてしまったんですが、このあたりもプログラムを組むときに考慮できるといいかもしれません。

アンコールについて

全体の流れは、いいと思います。ただ、もっと待たせてほしいなとは思いました。すぐに指揮者は入退場しないとか、すぐに着席しないとか。
これは、昨年FDをやったときも反省したことです。タメるというのは相当勇気が要るでしょうが、考慮していただければと思います。

さて

長々と書きました。勝手なこと言ってんじゃねえよと一蹴していただいても構いません。ただ、私も昔はそれなりに頑張っていたので、そういう人間の視点だとこんな感じですよという参考にしていただければ幸いです。