Tsukuba Saxphone Quartet コンサート

筑波大学吹奏楽団のサックスパート出身者を中心とした「Tsukuba Saxphone Quartet」のコンサートを聴いてきた。
TSQ に関してはこちらのブログを。
主催者のkuri氏とは吹奏楽団の同期で、ちょくちょく付き合いもあったため、コンサート開催までの苦労なども少し耳にしている。どうもお疲れさまでした(終演後、声を掛けられずに帰ってしまったので、この場で)。


プログラムは、前半がピアノ伴奏付きのソロ中心で、後半は4重奏などのアンサンブル中心。客演として東京藝大大学院の学生2名が参加しており、彼らによる特殊奏法を用いた2重奏もあった。


演奏について少し。
「いい演奏」と「いい音楽」は違うし、「うまい演奏」と「素晴らしい演奏」は違う。どんな音楽を好むかはたぶん人それぞれであり、完璧な演奏を求める人もいるし、力強い演奏を求める人もいる。
私は、「魂に近い演奏」が好きだ。聴いていて心拍数が上がる演奏。奏者の作りだす世界に引き込まれてしまう演奏。
アルトサックスによる「小さなチャルダッシュ」の演奏がそれだった。私が演奏者のことを知っているということも影響しているだろうけれど、もっとも心を揺さぶられる演奏だった。
「レシテーション・ブック」も素晴らしかった。5楽章の最後の部分、アルトとテナーのトリルの裏でソプラノとバリトンがユニゾンでテーマを奏す場面は、聴いていてとても興奮した。


その一方、少し残念だったのは、客演の方の練習量が足りなかったように感じられた点。筑波の学生たちほどのモチベーションはなかったのだろうなと思ってしまった。音色や技術は明らかに他の出演者と違っていて、さすが芸大という感じがしたが、その違いをうまく混ぜ合わせるところまで持っていくのは難しかったようだ。
筑波の演奏が素晴らしかった分、やはり少し残念な感じがした*1


kuri氏の音楽活動は彼のブログなどを通じて見知ってはいたが、あらためて聴くのは初めてだったかもしれない。大学院での研究の傍ら、このような演奏会を開催してしまうとは、やはりすごいことだと思う。
終演後のアナウンスで『またのお越しをお待ちしています』と言わせたからには、第2回も計画しているのだろう。また彼らの演奏が聴けるのを楽しみにしたい。

*1:譜面の確認くらい演奏始める前にしておこうよ、とか