お金を中心に行動を規定する

あまりお金に困ったことがない。そのせいか、いままでお金の出入りについて真剣に考えてこなかった。
お金を中心に行動を規定すると、行動は簡単に決められる。入るお金を増やそうとする行動と、出ていくお金を減らそうとする行動を目指すことになる。とても分かりやすい。
入るお金を増やすためには、もっといい給料の仕事を探すとか、昇給を目指すとか、そういう行動が選択される。出ていくお金を減らすためには、金額の多少に関わらず節約するという行動が選択される。無駄なものを買わないとか、少しでも安い商品を買うとか、そういう感じだ。所持するお金をより増やすという方針で行動を規定すると、取るべき行動はかなり簡単に決定される。

これが「幸せ」とか「豊かさ」を基準に行動を決めるとなると、この分かりやすさは出せなくなる。
より幸せになる行動を求めるといっても、幸せの定義や定量化が必要となり、直観では分かりにくくなる。ユニクロのシャツと、デパートの紳士服売場のシャツのどちらを着るのが「豊か」なのかといえば後者のような気はするが、その価値観は不変ではないだろう。
もちろん、お金だけを行動規範にすることはできない。お金以外の様々な要素が変数になる。
いくら家賃が安いからといって、風呂やトイレが共同のぼろアパートにいまさら住むことはできない。お金にならないからといって、コンサートを聴きに行ったり演奏したりすることはやめられない。でも、コンサートに行くときの交通費をなるべく安く抑えるということは考えられるはずだ。「お金がすべてではない」という価値観と「お金を中心に考える」という価値観は両立できると思う。
この考え方は、私にとっては画期的だ。お金が大事だとか金持ちになりたいという話ではなく、とにかく分かりやすい。
なにをするべきか迷うということが多いが、しばらくこの指針をひとつの柱として使っていこうと思う。