ニセ科学オタが非オタの彼女にニセ科学世界を軽く紹介するための10例

(元:アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本
参照:◯◯オタが非オタの彼女に◯◯世界を紹介するための10本まとめ

まあ、どのくらいの数のニセ科学オタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、
「オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、
 その上で全く知らないニセ科学の世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」
ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、ニセ科学のことを紹介するために
教えるべき10個の例を選んでみたいのだけれど。

(要は「あるある大辞典」の正反対版だな。彼女にニセ科学とは何かを布教するのではなく
 相互のコミュニケーションの入口として)

あくまで「入口」なので、説明するのが難しすぎる話題は避けたい。
できれば新書が出ているもの、せめて学会誌に論文が掲載されたものにとどめたい。
あと、いくらニセ科学的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。

ニセ科学好きが『天動説』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。

そういう感じ。


彼女の設定は

ニセ科学知識はいわゆる「特命リサーチ200X」的なものを除けば、「ためしてガッテン」程度は見ている
サブカル度も低いが、頭はけっこう良い

という条件で。

まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。

水からの伝言

まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「水伝以前」を濃縮しきっていて、「水伝以後」のニセ科学論壇を決定づけたという点では外せないんだよなあ。論法も二分法だし。

ただ、ここで道徳論トーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。

この情報過多な事例について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。

ゲルマニウムトルマリン

アレって典型的な「仕掛人が考える一般人に受け入れられそうなニセ科学(そう仕掛人が思い込んでいるだけ。と思いきや受け入れられてる)」そのものという意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには一番よさそうな素材なんじゃないのかな。

「オタとしてはこの二つは“鉱物”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。

買ってはいけない

ある種のプロ市民が持ってる安全への憧憬と、週刊金曜日監修の排他的な考証へのこだわりを彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにも盲目的な「童貞的なださカッコよさ」を体現する船瀬 俊介 「童貞を寄せ付けない強さ」を体現する日垣 隆 の二人をはじめとして、オタ好きのするキャラを世界にちりばめているのが、紹介してみたい理由。

マイナスイオン

たぶんこれを見た彼女は「ドライヤーだよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
この系譜の作品がいまでも続いていること、これがアメリカでも大人気になったこと、アメリカなら大規模製造工場ができて、それが日本に輸入されてもおかしくはなさそうなのに、日本国内でこういうのがつくられないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。

永久機関

「やっぱりニセ科学は科学者のためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「相対性理論否定論」
でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この問題にかける数多の科学者たちの思いが好きだから。
断腸の思いで削りに削ってそれでも、エネルギー保存の法則に引っ掛かるってのが、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、その「捨てる」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。
エネルギー保存則を俺自身は冗長とは思わないし、もう削れないだろうとは思うけれど、一方でこれがマクスウェルやファインマンだったら、きっちりエントロピー増大の原理の話にしてしまうだろうとも思う。
なのに、各所に頭下げて迷惑かけてへんてこな装置を作ってしまう、というあたり、どうしても「自分の物語を形作ってきたものが捨てられないオタク」としては、たとえアルキメデスがそういうキャラでなかったとしても、親近感を禁じ得ない。発想自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。

ランドリーリング

今の若年層でランドリーリング見たことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
「なんとか還元水」よりも前の段階で、水商売の手法とか受け入れられ方とかはこの商品で頂点に達していたとも言えて、こういうクオリティの商品が楽天市場でいまの時代でも売られているんだよ、というのは、別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくニセ科学好きとしては不思議に誇らしいし、いわゆる重曹石鹸でしか洗剤を知らない彼女には見せてあげたいなと思う。

ゲーム脳

子どもの「目」あるいは「思想づくり」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。
「終わらないゲームを毎日プレイする」的な感覚がオタには共通してあるのかなということを感じていて、だからこそモンスターハンターPSP以外ではあり得なかったとも思う。
「平凡化した日常を生きる」というオタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの気分」の源はバイオハザードにあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、単純に理解してもらえるかどうかを見てみたい。

血液型性格診断

これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
こういう世間話のとっかかりをこういうかたちでニセ科学化して、それが非オタに受け入れられるか気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。

涼宮ハルヒの憂鬱

9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にハルヒを選んだ。
水伝から始まってハルヒで終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、現代におけるID論の先駆けとなった作品でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。


というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら教えてください。


「駄目だこいつは。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。

こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。


(参考:覚えておきたい、ニセ科学リスト - 妄想科學倶樂部