宝くじが当たった

私は「理系的な」人間だと思う。あるいは「教養のある」人間だと思う。そのような人間は、たぶん、あまり、宝くじを買わない。
ではあるのだけれど、私は宝くじが好きだ。正確にいうと、自分で数字を選ぶタイプのくじ、ナンバーズとかミニロトとかロト6とか、そういうものが好きだ。
期待値が極めて低いことは分かっている。そう簡単に当たるものではない。当たれば大金が手にはいるし、実際に当たっている人がいるのは確かなのだろうが、自分が当たる可能性は本当に少ない。ゼロだといっても言い過ぎではないくらいだ。
なぜ私は宝くじを買うのか。
お金を使いたい気分、というのがある。なんとなくイライラしていたり、不安だったり、ぼんやりしていたり、そういうときにお金を使いたくなる。「今日はパァーっと飲むぞ!」と言えればいいのだが、酒は飲めない。「でかい買い物しちゃえ!」と言えればいいのだが、勢いでモノを買うのは避けている。それに、そんなに大金を使いたいわけでもない。
そんなときに宝くじを買う。数字を選ぶタイプのくじは、一口200円だ。大抵、二口くらい買うので、一度に400円。これが5週間に1回くらいの頻度。積み重なればかなりの金額になるが、タバコを日常的に吸うことによる出費よりはずいぶんマシだし、ギャンブルの「負け」だとは思っていないのでストレスにはならない。
先日、ようやく当たった。毎回「当たるといいな」とは思っているものの、期待はしていないので、4等(末等)とはいえ当たっているのには驚いた。数字を5つ選んで、3つ的中したので、1000円だ。
いままでに、50口くらい買ってきただろうか。おお、10000円も使っていたのか。そう考えるとやはりもったいないか? そうでもないか。よく分からない。
お金に「色」をつけることをしない、お年玉もご祝儀も初任給もボーナスも同じお金だと思っているので、特別なことはしない。換金して財布に入れて適宜使うだけだ。まあ1000円だし。
年収がコンスタントに600万越えるくらいになるか、ポンと200万くらい当たるまでは、たぶんちょくちょく買い続けるのだと思う。私にとって宝くじは、手軽に「消費」をするための道具なのだ。