手作り結婚披露宴のつくりかた

結婚するというのは、入籍だけすればいいというものでもなく、結婚式と披露宴も行うのが普通だろう。入籍は数日前に済ませ、2月7日は披露宴を行った。
いろいろと考えて作ったので、その過程などを書いておく。

前提(ふたりについて)

私と、結婚した女性は、大学のサークルで知り合っている。いろいろあって、大学のある街にそのまま住み続けている。実家はふたりとも少し遠い。

前提(やりたくないこと)

一般的な結婚式というのは、とてもお金がかかる。事前に結婚式場の見学に行き、見積もりを出してもらったのだが、100人くらい呼んで250万円とか、まあそのくらいかかるわけだ。そんな金はない。
また、一般的な結婚式であれば、招待客はご祝儀として3万円とかそのくらい包むものかと思われる。私たちが招待したいのは大学時代の友人がほとんどであり、そのうちの半分くらいは、まだ学生だ。学生だから1万円くらいでもいいよ、ということはできるだろうが、それにしても大金だ。友人たちに金銭的な負担をかけたくない。
親や親戚と、大学の友人たちを会わせる必要もないなという気持ちもあった。親戚がいる前では友人たちも十分に楽しめないだろうとも思った。
いちばんは、面倒なことはしたくないということだった。結婚式場でやるのなら、いろいろな打ち合わせをしたりなんだりを、よく知らない人(結婚式の専門家ではあるのだけど)と話し合う必要があるわけで、妻はそういうことが苦手であり、自分たちでやってしまおうということになった。

方針決定までの経過

大きな(一般的な)結婚式は、やらないことに決めた。
私たちが出会ったのは、大学の吹奏楽団だった。私たちが結婚を決める少し前に、やはり吹奏楽団員どうしのカップルが結婚した。その結婚式では、会場に楽器を持ち込んで吹奏楽を演奏してしまった。私もこれをやってみたいと思い、近くのコンサートホールなどを少し当たってみたが、想像以上に面倒くさそうだったのでやめた。
前述のように、親や親戚と友人たちを会わせるつもりはなかったので、親戚と友人とでそれぞれ披露宴というかお披露目会のようなものをしようと考えた。親戚たちとは昼に会食、友人たちとは披露宴の二次会のような雰囲気で飲み会をすればいいかと考えた。
会場をどこにするのかと考えたとき、東京に出ればいろいろと適切な居酒屋やレストランもあるのだろうけれど、そういうところでやるのでは結局話し合いが面倒になってしまうということで、近所の、いつもの居酒屋でやろうかということになった。そこは吹奏楽団ご用達の居酒屋で、演奏会が終わったあとの打ち上げはもちろん、なにか集まって飲もうかというときは必ず行くような居酒屋だ。ここなら、打ち合わせもスムーズに行えるし、大学を離れた友人たちも嬉しいだろうと考えた。

時期決定・招待など

これについては特別なこともないので割愛。

披露宴の進行について

普通の飲み会にはしたくなかったので、ある程度はプログラムを作ることにした。
最初に考えたのは、披露宴によくある「プロフィールムービー*1を上映したい、ウェディングケーキを食べたい、の2点だけだったが、やっぱり友人代表のスピーチもほしい、友人が余興をやってくれるらしい、などとプログラムが増えて本格的になっていった。
ウェディングケーキの持ち込みについては、会場の居酒屋は快諾してくれたのだけど、なにぶん居酒屋なのでケーキを切るのに慣れたスタッフもいないだろうし、ちょっと大変だろうということで、樽酒のふたを木槌で叩く「鏡開き」を行うことになった。
最終的な進行表は以下のような具合。

  • 開宴
  • 新婦挨拶
  • 乾杯
  • プロフィールムービー上映
  • 友人代表挨拶
  • 鏡開き
  • 余興
  • ブーケプルズ(ブーケトスの代わり)
  • 抽選会(ビンゴゲームのような感じ)
  • 新郎挨拶
  • 閉宴

司会を、招待者の中では年長の先輩にお願いした。お酒の苦手な方なので、司会をしてると酔えなくてつまらない、ということもないだろうとも考えた。なかなか大変そうだったけれど、お願いしてよかったと思う。
ブーケプルズは、2メートルくらいのリボンを女性の人数分用意して、そのうちの1本だけに花束をくくりつけ、いっせいに引っ張ってもらい、ひとりだけ花束が当たるというもの。ブライダルショップで物色したときには、賞品は小さなアクセサリばかりだったのだけど、そんなものが当たっても嬉しくないよなあと思い(女性は嬉しいのかもしれないけど……)、花束を贈ることにした。
抽選会は、受付の際に小さなカードに携帯電話の番号を書いてもらい、それを箱に入れてくじ引きして、出たカードの番号に電話をかけるというもの。賞品は5位まで用意した。

料理について

会場を「いつもの居酒屋」にしたのだから、料理も「いつもの料理」がよいだろうと考え、基本的に居酒屋の定番メニューとした。事前に試食を行い*2、検討した。招待客である友人たちは、みな、この居酒屋に少なくとも10回は来ている。私も50回くらいは行っているだろう。もっとか。
いつもの料理だけではつまらない。この居酒屋は刺身がけっこうおいしいので、豪華な刺身を出してもらうことにした。伊勢海老の頭の乗った大皿が何枚も! ありがとう! なかなか印象に残る料理だったのではないかと思う。

準備したもの

いろいろと準備したものがある。

  • プロフィールムービー
    • さいころからの写真を音楽に乗せてスライドショーにしたものと、セルフインタビュー的なビデオ。一般人でも映像が簡単に作れるようになったとはいっても、障害はさまざま。大変でした。
  • 席次表
    • 挨拶と、座席表、プログラムが書いてある。普通は料理の献立なんかも書くらしい。ブライダルショップでキットを購入し、エクセルで作成。
  • 引き出物(駄菓子の詰め合わせ)
    • 駄菓子の問屋みたいなネットショップで、何種類か箱で購入し、袋詰めした。出来がよかったため、「袋詰めセット」を購入したのだと思われたらしい。作るの超大変だったんだぞ!と言いたい(ので書いた)。
  • 樽酒
    • 一斗樽(10升・18リットル)で、しかし10升も飲みきらないだろうと思い「2升くらいで」と頼んだのだが、樽酒というのは樽に入れればいいというわけではなく、お酒に木の香りをなじませることに意味があり、そのためには最低でも半分は入れないといけないとのこと、5升お願いした。準備から片づけまで、居酒屋さんにはお世話になった。
    • 「寿」の印刷がされた一合の枡を人数分用意した。持って帰ってねと言ったんだけど、持ち帰り用の袋を渡すタイミングを間違えたためか、けっこう残っていた。
  • プロジェクタとスクリーン
    • 友人に借りた。しかし、なんで大学生が個人でプロジェクタ持ってるんだろう……。

スタッフ

たくさんの方にお世話になりました。
司会、受付および会計、プロジェクタ設置、荷物を置くための部屋提供(居酒屋から徒歩30秒のアパートに、荷物を置かせてもらった)、会場の居酒屋でバイトしている後輩、余興をやってくれた友人、スピーチをしてくれた友人。
スタッフとして動いてもらうためには、そのための指示はこちらでしておかなくてはならず、その準備もなかなか大変だった。

そんなこんなで

当日はドタキャンも数件あり、どうなることかと思った。やはり「ちゃんとした」会場にしないと、来る方も気合が入らないのだろうかと後悔もした。
式次第は、料理が遅くなったり、みんな盛り上がってしまったりで、最終的に約75分押しとなってしまった。料理については、時間を決めて一度に大量に出すようなことを専門にしているわけでもないのに、わがままを聞いていただいて本当に感謝している。お店は貸切にしてあったので、遅くなるのは問題なかったが、終電に間に合わない人がいて途中で帰らざるをえなかった人が何人かいたのは残念だった。


いろいろと大変だったが、参加者の皆さんにとても楽しんでいただけたようで、本当によかったと思う。もう一度やりたいとはまったく思わない。


もうちょっと感情的な話は、別の記事で書きます。

*1:YouTubeで検索するとたくさん見つかる

*2:飲みに行っただけですね