1999年に14歳だった自分に読ませたい本10冊

世の中に「SF入門者のための10冊」とか「20世紀の名作映画100本」とか、そういうものはたくさんあるけれど、不特定多数に向けて書かれたリストってあまり興味はないし、人気投票みたいなものはそれほど面白くない。
その点、「アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本」は目的意識が明確だし、その作品を薦めることが自分のなかでどういう意味をなすのかが語られていて楽しい。「ふたば二次裏でまとめられていた、中高生のための100冊」も、役に立つというようなものではないけれど、設定を楽しむという意味ではよいと思う(このリスト作るの楽しかったんだろうなあ)。
前置きはこのくらいにして、「私が、14歳だったころの私に読ませたい本10冊」を。1999年、いまから10年前、中学3年生だった自分に読ませたかった(ような気がする)本を10冊選んでみようという趣旨です。

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド村上春樹

村上春樹に出会ったのがいつだったかよく覚えていないけれど、「世界の終わりと…」は高校2年生のときに読んだはず。「ねじまき鳥クロニクル」、「国境の南、太陽の西」も17歳くらいで読んだ。もっと早い時期、つまり14歳くらいのときに読んでいたらどうだっただろうなと思う。

AKIRA大友克洋

未読。映像も観ていない。いつか観なくちゃと思いながら、たぶん観ないんだろうなあという気もする。ローティーンのときに出会っていたら、と思う。

ライ麦畑でつかまえてサリンジャー

21歳くらいのころに村上春樹訳で読んだ。村上訳が出る前にこの本を読めた自信はないのだけど、やはりもっと若いころに読んでいたらよかったかもしれないと思う。

トーマの心臓萩尾望都

つい先日読んで、圧倒された。14歳のときにこれを薦めてくるような人は周囲にはいなかっただろうけれど。

すべてがFになる(森博嗣

18歳で読んだはず。この本を手に取った経緯は覚えていないけれど、その年のうちに、そのとき文庫で出版されていた森博嗣作品のほとんどを読んだ。高校生のときにこの人を知っていたら、なにかいまとは違う人間になっていただろうと思う。

指輪物語トールキン

未読。これは中高生のうちでなければ読めないと思う。ちょうど薦められたときが14歳だった。読めばよかったなあ。

老人と海ヘミングウェイ

たぶん未読。読んだかもしれない。20歳のときに文庫本を買った記憶はある。このくらい読んでおけよ、という作品を読んでいないことが多い。読書感想文かなにかで読んでおけばよかった。

銀河鉄道の夜宮沢賢治

なにも高校の教科書で読まなくてもよかった。まあそれでもいいのだけど。

異邦人(カミュ

16歳くらいで読んだか。14歳で読んでいれば、たぶんなにかしらの優越感を持っただろうなあと思う。

駈込み訴え(太宰治

太宰治もほとんど読んでいないけれど、駆込み訴えは22歳くらいで読んで衝撃を受けた。教科書に載っているタイトルだけが文豪の作品のすべてではないのだと知っている高校生であったら、文学というものについて少し違った考え方をしていたかもしれない。


梅雨が明け、夏が始まり、書店の入り口には夏休みの学生に向けた本がたくさん積まれている。10年前の夏休みに、私は何を読んでいたのだっけ。