はやぶさのカプセルを見たけど

筑波宇宙センターで「はやぶさ」の帰還品を展示しているので見てきた。
エンジニアリングモデル(飛んでない)と、「本物(超遠くまで行って戻ってきて大気圏突入とかしたやつ)」が並んでいて、やっぱり「本物」には傷とか焦げ跡とか付いてたりして、うへえと思った。

はやぶさカプセルの本物を観ることで感動するのは、難しいと思う。
「本物」はたしかに「本物」なのだけど、産廃処理場あたりから拾ってきたと言われても納得しそうな雰囲気がどこかあって、それは私たちが「宇宙から帰ってきたもの」に対するイメージをフィクションのなかにしか持っていないことも理由なのだろうけど、率直に言って、カプセルは「よく分からなかった」。
そして、この「正直よく分からない」ということこそが、ものすごいことなのだと思う。「スゴイ、のかな…?」という感想を持たせることこそが、「本物」を展示することの価値なのだと思う。
よく分からないということは、うまくイメージできないということなわけで、しかし「本物」が目の前に存在することは、その「うまくイメージできないこと」を丹念にイメージして、そして実行させてしまった人たちが存在するということなのだから。
帰還カプセルの実物なんて、いかにも「感動の物語」に酔うのに最高のアイテムなはずなのだけど、「本物」の展示が語っているのは、はやぶさが感動を求めるためのプロジェクトなどではないということのように感じた。