寄付について

震災などの復興にはまとまったお金が必要であり、そのようなお金は都合よく現れないので、寄付を集めるというやり方がある。3月11日から3ヶ月以上が経ったが、いまもチャリティイベントなどが多く見られる。よいことではあると思う。
気に掛かっていることがある。震災以前から、寄付金をメインの活動資金としていた団体があることと思う。
たとえば、「骨髄移植推進財団」の財務情報を見てみると、平成21年度の事業活動収入の合計が 1,477,984,983円であり、そのうち寄付金収入が 132,294,293円、賛助会費収入が 7,250,000円とあり、収入の1割弱を寄付に頼っていると読める。この寄付金額は前年度(平成20年度)から約1000万円減少しているとのことだが、おそらく平成23年度はかなり大きく減少するのだろうと予想される。こういった団体は他にもあるだろうと思う。これまで通りの寄付にプラスして震災関連の寄付を行う経済力がある人や企業や団体がどれほどあるのだろうかと思う。
別の話題。継続的に寄付金を集めるためには、どのような形が望ましいのかと考える。
たとえば、チャリティコンサートという寄付集めの形がある。これも素晴らしい形であると思うけれど、継続的な支援へつなげるのは難しい。コンサートは日常ではないからだ。また、コンサートは普通に開いてもお金がかかる。チャリティイベントというのは寄付金を誰かが肩代わりしているわけだが、仮に「出演者はノーギャラで、ホール使用料などの必要経費を払ったら残りの売上はぜんぶ寄付」という形であれば、それは出演者が自分の給料を寄付をしているだけであって、チケットを購入した人たちが寄付をしていることにはならない。
小売業でも、「売上の全額を寄付します」という宣言を何度も見るが、売上には仕入れの値段が含まれているはずであり、買い物客は一切の寄付をしないまま販売者だけが自分の収入をすべて寄付している形になっていることになる。せめて「収益の半分を寄付」にしてくれると安心して買い物ができるのだが。ファミリーマートでは、特定の商品のうち「2円」を寄付に回すと宣言している。このやり方はファミリーマートが損をする心配もなくて、よいと思う。