プロ野球のピッチャー起用を「艦これ」で考えてみた

テレビでプロ野球の日本シリーズを見ていて、野球というのはピッチャーが重要なゲームなんだなあと思った。
野球にはあまり興味がないのだけど、スポーツニュースなどでそれなりに聞いたことはある。ピッチャーは身体的にけっこう大変なポジションで、特に「完投」はかなり大変らしい。連日投げるのも大変らしい。だから高校野球で毎日ピッチャーがひとりで投げてると、選手生命がとかいう話になるらしい。
ピッチャーには「先発」、「中継ぎ」、「抑え」という役割があるらしい。先発で調子がいいと、9回最後まで投げたりもする。7回あたりで交替して、あとは中継ぎが頑張るとか、9回のラスト3人は抑えが頑張るとか、そういう役割分担があるらしい。
どうしてそういう運用になっているんだろう。以前から不思議だった。9回投げると疲れるなら、中盤で交替したらいいのではないか。7回くらいまで頑張るつもりで投げるのと、5回までで替わるつもりで投げるのとでは、スタミナ配分も変わってくるだろう。それとも先発ピッチャーと中継ぎピッチャーでは、そんなに力の差があるんだろうか。以前「大魔神」と呼ばれた選手がいたけど、抑えはちょっとしか投げないはずなのに、そんなに難しいものなんだろうか。
というような疑問を、ゲーム「艦これ」に連想してみたら、けっこうハマる気がした。
艦これは、複数の戦闘艦からなる部隊を編成して、敵艦隊を倒していくゲーム。「戦艦」「空母」といった攻撃力も耐久力もある強い艦と、「駆逐艦」のようなあまり強くない艦がある。ゲーム序盤は駆逐艦主体で進めていくのだけど、戦艦や空母が手に入ると、戦い方が様変わりする。ゲーム内での戦力の差がかなりすごい。その分、戦艦や空母が「入渠」(戦闘力の回復)をするときには時間も回復アイテムもたくさん使う。出撃するたびに、弾薬も燃料もたくさん消費する。一方の駆逐艦は、そんなにアイテムを消費しなくても済む。でもあまり強くならない。戦艦や空母だけを使って進撃できればそれに越したことはないんだけど、進撃したら回復させないといけないし、「入渠ドック」(回復用の酸素カプセルみたいなもの)は艦の数に対してあまりに少ない(基本2つ)。ドックの回転率を確保しつつ、回復アイテムを使いきらないようにしつつ、マップ攻略のために進撃を続けるのが、艦これの遊び方だ。
プロ野球は、1シーズンが144試合あるらしい。おそらくチームメンバに登録しておける選手数は限られていて、その限られた人数のなかにはピッチャー以外のポジションの交代要員も確保しておかないといけない。
たぶん、「先発」は「戦艦」で、「中継ぎ」は「駆逐艦」なのだろう。戦艦だけで艦隊を編成できればいいが、それでは入渠も弾薬補給も追いつかない。とはいえ、燃費のいい駆逐艦だけでは2-4攻略は極めて難しい。先発を務められるピッチャーだけを集めたいのは山々だけど、それでは体力回復が追いつかないし、全員分の年俸も払えないということなのではないか。
艦これは、兵站ロジスティクス)のゲームだという。兵站なんて概念を意識したことはなかったけれど、案外身近なところにあるものなのかもしれない。