2013年俺デミー賞、新書俺賞ほか受賞作発表

「俺文学賞」の小説以外編です。2013年の小説編はこちら(→2013年俺川賞俺木賞ほか受賞作発表 - うしとみ)。

一般書部門

新書俺賞『フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人』、『〈子ども〉のための哲学』。

フード左翼とフード右翼については、記事を書きました(「フード左翼」は幸せになれるか - うしとみ)。今年いちばん面白かった本です。
<子ども>のための哲学 講談社現代新書―ジュネス

<子ども>のための哲学 講談社現代新書―ジュネス

〈子ども〉のための哲学はすごい本です。哲学とは、本来、先人の考えたことをトレースする行為ではなく、自分自身にとって重要な問題について十分にじっくりと考えること。この本を読んだことは、ある種の救済であったと私は思います。


料理本大賞は、『システム自炊法』。

2013年秋以降の私のテーマは「炊事」なのですが、目指すところが近いのは、システム自炊法と『料理の四面体』です。
料理の四面体 (中公文庫)
「外食は週に11/21回まで」「昼も夜も会社なら、朝食を充実させる」「外食の栄養欠陥を補うための自炊を」、といった基本姿勢から書かれています。25年ほど昔の本ですが、基本的な思考は現代にもそのまま活かせるものです。

マンガ部門

このマンガがすごい!2014俺編」は以下の作品になりました。今年もマンガをたくさん読みました。
1位:『ワカコ酒

ワカコ酒 1 (ゼノンコミックス)

ワカコ酒 1 (ゼノンコミックス)

いいマンガです。酒と料理と居酒屋に対する愛おしさがビシビシ伝わってきます。きっと『孤独のグルメ』ってこんなマンガなんだろうな(未読)。難しいことはいい、お酒を飲むのが好きだ、おいしいものを食べるのが好きなんだ。
数ページの短編集で、主人公(26歳女子)が毎回居酒屋で飲むマンガなのですが、何が素晴らしいって、主役のお酒が芋焼酎だったり熱燗だったりウーロンハイだったりするんですよ。ポテトサラダとウーロンハイで一話できるマンガなんて素晴らしいじゃないですか。
食べることの幸せを強く味わえる、いいマンガです。


2位:『HUNTER X HUNTER』

HUNTER X HUNTER29 (ジャンプコミックス)

HUNTER X HUNTER29 (ジャンプコミックス)

この賞の選考対象になるのは「私が今年触れた作品であること」なので、ハンターハンターも対象です。ハンター試験あたりまでは連載時に追ってたんですが(何年前だろう……)。いまさらコメントするのもはばかられる作品ですが、蟻編のラストはすごかったですね。こんなのを少年誌でやってるってすごいことだと思います。


3位:『竜の学校は山の上』

竜の学校は山の上 九井諒子作品集

竜の学校は山の上 九井諒子作品集

九井諒子作品は『ひきだしにテラリウム』から入りましたが、受賞はこちらを。滋味のあるマンガを書く人だなあと思います。すごく好きです。


4位:『文豪ストレイドッグス

大好きです。「ザ・中二病」とタグをつけてダイソーに置いておきたいくらい好きです。いいじゃんいいじゃん、グッとくればいいじゃん。そうです、グッとくればいいのです。

映像部門など

魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』に俺デミー賞を。
とにかく素晴らしかった。これが俺たちの観たかった映像だ! これが俺たちの観たかったストーリィだ! えっ、うわあ、はー、そういうことしちゃうんだ、あー、やっぱりまどマギだわー、いやー、いやはや。。。という感じでした。
もうネタバレもいいと思うので書きますが、序盤の「ホーリークインテット」の変身バンク、ボロ泣きですね。あれで泣けるのは、自分に萌えの精神があるということの現れだと思います。人は萌えで泣ける。2013年最大の発見と言っていいと思います。人は萌えで泣ける。


パシフィック・リム』にも俺デミー賞を。100点満点で800点くらい行ける映画でした。
そしてパシリム回想シーンで壮絶な演技を見せた芦田愛菜さんに俺デミー助演女優賞を。芦田愛菜さんマジすごい。芦田愛菜さんのことは2011年暮れの紅白歌合戦で「この子すごすぎる」と知ったのですが、あいかわらずすごい。世間の評価が適切なものであることを願いたいです。


最後に、俺レコード大賞として、ももいろクローバーの『走れ!』。

度重なる布教を受けた結果、ついに私もももクロにやられました。まだまだ初心者ですが、おそらく2014年にはもうちょっとハマっているでしょう。
騙されたと思って(というか、こういうのが大好きなんだと自分を騙すつもりで)、この動画を観ていただきたい。観てください。


こうして振り返ってみると、2013年は充実していたのだなあと思います。いろいろありましたが、いい作品にたくさん触れられたのは幸せなことだったなと思います。
そういえば今年も「俺川賞」は該当なしでした。2014年は対象になる小説を多めに読みたいものです。