「断らない力」を身に付けた方が、たぶん人生は楽しい
面白い人のところには、面白い人・話・仕事が集まるという。実際、面白い人だな、すごい人だなと感じる人のところには、いろんな人が、いろんな面白そうなことを持って集まってくるように見える。
「面白い人」になると、たぶん人生はさらに面白くなっていくんだと思う。好循環が生まれて、どんどんいろんな「面白いこと」が集まってくるんだと思う。
もちろん、「面白い人」のところには、面倒なことやつまらないことも集まるのだろう。そんなこと自分でなんとかしろよと言いたくなるような話もたくさん転がり込んでくるのだろう。だけど、そんな心配は、いろんなことが集まってくるようになってから考えればいい話だ。勝間和代さんの「断る力」という本は、たぶんそういう話なのだと思っている。
さて、どうせだったら、人生は面白い方がいい。でも「面白い人になろう」だと漠然としてしまって、目標としてはちょっと適当ではなさそうだ。
では、「誘われる人になる」というのはどうだろう。
「これ面白いよ」、「友達に面白い人がいるから紹介するよ」、「あのイベント面白そうだから、一緒に行ってみようよ」、そういう誘いが次々に舞い込んでくる人は、たぶん周りから「ちょっと面白い人だから、誘ってみようかな」なんて思われている。そんな「誘われる人」になるには、どうしたらいいんだろうか。
そのためには、まず、「断らないこと」が必要なんだと思う。
「なんか面白いことないかなー」と言っていると、「この本オススメ」とか「あの展覧会すごくよかった」とか言ってくれる人が、たぶんいる。そこで「へー」で終わってしまうと、もう次はないのだと思う。「いま忙しいから、また今度ね」と言ってしまうと、もう二度と面白い話は転がってこない。
あまり興味がないことであっても、それなりに親しくしている人から「これいいよ」と言われたら、それはもしかしたらその友人が話のネタにしたいだけなのかもしれないけれど、飛びついてみることは、たぶんすごく強い。
キーワードは、「断らない」と、「速さ」で、面白そうでも面白くなさそうでも、誘われたらとにかく乗る、それも即座に、という行動規定をつくってみると、少なくとも面白い話は転がり込みやすくなるはず。とりあえず何でも乗っかることにしておけば、断るかどうかの判断が不要になるし、暇というものが存在しなくなる。
そういう生き方をしてみて、どうも違うなということになれば、今度はどんどん断っていけばいいし、面白い誘いがどんどん舞い込むようになって「面白い人」になれていたら、やっぱりどんどん断っていけばいいのだと思う。
「断らない力」という言葉のなかには、「たとえスケジュールが厳しくても、うまいこと調整して誘いに乗る」みたいな力も含まれている。
単に誘いを断らないだけだったら、必ずパンクしてしまう。パンクしないためにはキャパシティを超えた誘いは断ることが必要、というのはたしかにその通りなのだけど、そこで簡単に断らないで、どうしたら全部うまくやれるのかを考えてみて、そして調整する力が必要になる。別に寝る時間を削ったりしなくても、案外うまいことやる方法はあるものだ。そういう意味で、「断らない力」というのは、決して簡単に身に付けられるものではない。
「断る力」が必要なのは、ある程度は面白い人になってからで、断らなきゃいけないほど誘いが来ないうちは、「断らない力」を鍛えることで次のステージに備えるというのも、一つのライフスタイルかなと思う。