何に対して金を払い、時間をかけるのか

最近あった話。

音楽やらない人から楽器の値段を聞かれて「買ったときは30万くらいでしたね」とか答えると「はぁ?!まじで?」とか言われがちだが、あんたが酒やタバコやギャンブルや車やなんかに注ぎ込んでるお金と比べたら大したことないよと思う。

http://twitter.com/ffi/statuses/1154288780

長いこと、楽器を演奏する人たちばかりいるコミュニティに属していたので忘れていたのだが、楽器を演奏しない人にとっては、楽器の値段はびっくりするほど高い。アマチュア向けのやや低めのグレードのものでも10万円は超える。それを、高校生とか大学生とか、下手したら中学生が買う。というか親に買ってもらう。これは、楽器をやらない人にしたら驚くよなあと思う。
しかし、これまでになににもお金をかけてこなかった人などたぶんいなくて、誰でもなにかしら、他人からしたら驚いてしまうようなものにお金を使っている。
積んだままになっている本がたくさんあるのに新刊の小説を買ったり、雑誌連載時にも読んでいたマンガの単行本をすべて揃えたりする。なんだかよく分からないプラモデルをたくさん持っていたりするし、燃費の悪い車に乗ってさらに改造していたりするし、歩きにくそうなのにやたら高価なブーツを何足も持っていたりする。よそから見たら、「はぁ?! そんなものに、そんなにお金使ってるの?!」と思われるようなことは、いろいろある。
楽器をやる人間は、楽器にはある程度はお金をかけないと面白くないということを知っている。また、練習にも時間を費やさなくては面白くない(=上手にならない)ということも知っている。同じように、ギャンブルが好きな人間は、お金をかけなくてはギャンブルの面白みがないことを知っているのだろうし、必勝法や傾向やなんかを研究すること自体も面白いということを知っているのだろう。


この話からどういう教訓へ持っていっても別に構わないのだけど、ひとつ、私が思うのは、自分が使っているお金の流れには自覚的であったほうがいいよなあということだ。「おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?」ということで、そんなものは覚えていなくてもよいのだけど、記録に残すことで自覚することはできるよねと思う。