ゴマ煎り器をつかってコーヒー豆の焙煎を自宅でおこなう

コーヒーにこだわる人は少なくないが、豆を焼くところから自分でやるとなると、それはたぶんちょっと面倒なタイプの人だろう。

自宅でうっかりコーヒー豆の焙煎を始めるために必要なこと(焙煎導入編) - うしとみ
自宅焙煎の「導入編」と題したものを以前書いた。「導入編」では、コーヒーを自宅で焼くことについての心構えと、ゴマ煎り器を使うべしというあたりまでしか書いていない。手法については、コーヒーを専門にされている方のブログへのリンクに任せている。
https://kacco.kahoku.co.jp/blog/rojiina/35695
こちらの記事「手網焙煎(4)」では、ゴマ煎り器を使った焙煎方法のこまかい部分まで書かれている。これを参考にすれば十分だとも思われるが、わたしのやり方も記しておくことで、趣味を同じくする人たちへの検討資料のひとつになればと思う。

焙煎の手順は、

  1. 生豆の選別
  2. 加熱
  3. 冷ます

の3段階となる。選別に1〜2分、加熱に10〜15分、冷ますのに3分程度かかる。合計20分。
また、ゴマ煎り器での焙煎では、一度に30グラム程度までしか焼けない。つまり一度に2杯分程度しか焙煎できない。
わたしは、このところ毎晩のように焙煎している。夕食の片付けも済んで一段落したところで焙煎し、それを翌朝淹れて飲む。焙煎が面倒なときもあるから、市販の豆も用意しておいて、毎朝のコーヒーは欠かさなくて済むようにしてある。

生豆30グラムというのはこのくらいの量だ。豆の量は計量するべきだが、秤がなければ体積でみても構わないだろう。

買ってきた生豆には、ダメな感じの豆がいくらか混ざっている。周りと比べてあまりに小さいものや、形の不格好なもの、虫食いらしい穴のあるものなどは取り除く。気分の問題でもあるし、火の通りの均一化をねらう意図もある。気にしだすと捨てる豆が増えていくので、こだわりすぎないのがいいと思う。


ゴマ煎り器に生豆30グラムを入れた様子。豆が鍋のなかで重ならない、ちょうどいいくらいの量になっているのがわかる。これより多いと熱の伝わり方が難しくなりそうだ(試したわけではない)。


火にかけて、ひたすら前後左右にゆすりながら加熱する。コンロ自体の火加減よりも、火元からの距離によって加熱加減を調節するのがよさそうだ。何度かやってみて、自宅のガスコンロのちょうどいいあたりを見つけていく。

しばらく加熱していると、豆の色が変わってくる。

このくらいまで加熱するころには、豆のハゼる音がけっこう鳴ってくる。このハゼ音のタイミングで、焙煎の具合を判断する。前掲の記事に詳しい解説があるので参考にしつつ、自宅の環境と、自分のコーヒーの好みに応じて、ちょうどいい焙煎を見つけていく。


火からゴマ煎り器をおろしたら、ザルに空けて冷ます。この手順では、豆の皮がたくさん飛び散るので、注意が必要だ。
網ザルに移し、ボウルや皿に移し、また網ザルに移す。これを繰り返すことで、それなりに冷めていく。豆の皮はザルに残りやすいので、その都度捨てる。「ゴマ煎り器→ザル→ボウル(ザルに残った皮を捨てる)→ザル(ボウルに残った皮を捨てる)→ボウル(ザルに残った皮を捨てる)……」という具合だ。

焙煎後は急冷することが重要だと言われているが、趣味として自宅でやるのであれば、そこはこだわるべきポイントではないと思う。大げさな送風によって冷ますことはできるが、それと皮の飛散を防ぐのを両立するのはちょっと面倒だ。
自宅焙煎でこだわるべきポイントは、手軽に続けられる手法であることだ。ゴマ煎り器を使って加熱中の散らかりが回避されているのだから、冷ます段階で散らかすのでは面白くない。



焙煎の記録は取っておくとよい。特にさいしょのうちは、豆の量をきっちり計測し、経過時間をメモしながらやるのがよい。4回くらい試行錯誤すれば、あとは安定した焙煎ができるようになるだろう。


Amazonをみたら、以前紹介したゴマ煎り器が値上がりしていた。こちらの方が安い。

木柄 ゴマすり器

木柄 ゴマすり器

Amazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」にゴマ関連の商品ではなく、コーヒー生豆が並んでいるのは、わたしの環境によるのだろうか。
ゴマ煎り器により自宅焙煎が気軽に初められる趣味となっているのだとすれば、そしてこのブログの記事が少しくらいその役にたっているとすれば、嬉しいことである。